雨と箱庭

明日は明日の風が吹く。

服の話をしようか。

小学生の頃はメゾピアノ等のナルミヤ系、スーパーラヴァーズ、くまのエイミーちゃんで知られるべティーズブルーが流行った。

中学生になるとリズリサやトゥララ、高校生になるとセシルマクビーのショッパーを同年代の子が持っていたりもした。

うーん、懐かしい。

 

しかし、お値段自体は可愛いとは言い難いものであった。

確かに一般家庭の収入で以てしても、時代の違いを背景にしたとしても。

あの価格帯の服を子供に買うという行為は慎重になると思う。

 

高校生以上ならバイトという選択肢がある。ちなみに私が通っていた高校はバイト禁止だった。

が、バイトができない小中学生の身であれを身に着けるとは逆に考えれば相当裕福な家庭なのでは…?

当時一人っ子は珍しい時代だったということもあり、

「お小遣いやお年玉で買いました!」

って言っても何着も買えるものでもないと想像はつく。

 

私は貧乏だったというわけではないが、お小遣いもなければお年玉もそんなに貰えない家の子だったので当然そういう服とはご縁がなかった。

そのうえ、あれを着て許される子とそうでない子がいるという女子特有のドロドロした私の苦手な黒い世界が裏にはあったのだ。(学校外で着れば良いが万が一知り合いに見つかったら翌日は地獄絵図)

だから、当時貯めた「なけなし」のお年玉でブランドの文具やヘアアクセを年に1~2回程度買って家で使ってた。失くしたら勿体ないから家で。(ここ重要)

だいぶ経年は見られるものの、当時買った定規等の文具がまだ残っていたりもする。

 

かといって社会人になったときには流石にそれらのブランドを着ようという気は起きなくなる。

似合う年齢の存在という意味もあるが、年齢が上がると学生御用達ブランドの品質では違和感を覚えるのである。

例えばどことなくチープ感があったり、丈の短さが気になったり。

年齢が上がるにつれて可愛い!だけでは服が買えなくなったのである。

 

だから、その分今はファッションを楽んでいるような気がする。

同世代に比べれば全く私は知識やセンスもないだろうし、流行に敏感とも言えない。

昔からお洒落に関心が高い子と私とでは差が開いているとは思う。

 

しかし、どうせ奮発するなら。

記事冒頭に挙げたブランドなんて比べ物にならないくらい値段が上がっても縫製や生地の質。長く愛用できるデザインか、シルエットの良さ…

そこまで拘り抜いたその先に、お気に入りの一着が見つかったら最高だと思う。

そしてそれを長く愛用できるとしたら、長い目で見れば高い買い物でもないのではないだろうか。

 

いつも新作をチェックするブランドは、自分史上で今が一番多い。

出費は多くなったけれども、「着たい服が似合うようになりたい」「この服を着こなしたい」と思って苦手だったメイクとやらに手を出し、減量も実感できるくらいの成果は出てきている。

ムダ毛処理というものに全く必要性がわからなかった過去が私にはあるが、今なら服を見栄え良く着こなすためのメンテナンスと考え定期的に行っている。

まあ、自己満足の世界でしかないが趣味が増えたようなものである。

 

しまむら安心価格しか勝たん時代もあったし、気づけばメンズばかり買っていたり、女性らしい恰好を敢えて避けた時代だってある。メンズを女子ならではの着こなしを考えるのも楽しい研究ではあるが。

 

 

それでも自分が何らかの形で進歩するきっかけになるのなら良いとは思うし、周りの子が着ているような服が買い与えられなかった昔話など些末に思える。

 

また、服に合わない言動や腹を立てるだけ無駄なことで苛立つなど大人気ないことはしないよう意識するなど「自然と自己を律する姿勢」にさせてくれる効果もある。

 

因みに重宝しているアイテムはペチコート。これを足すと足元が華やかになる。

私の身長は高い部類に入るようなので、自分より身長の低いモデルが着用しているワンピースを試着すると短くなってしまうこともある。

これを素敵に解決してくれるのがペチコートで、元のワンピースがもっとお洒落に見えたりするのでかなり便利である。

色や丈違いをいくつか揃えて組み合わせを考えるのもとても楽しい。