雨と箱庭

明日は明日の風が吹く。

「ほわほわする」予感

鬼滅の刃の映画が大ヒットになり、「ほわほわ」という言葉も伊之助に由来する。

内容も泣けるような良作であった。

 

アニメ映画といえば、来年は心温まりそうなタイトルが並んできている。

 

 

まずは夏目友人帳

うつせみが初の映画で、トリプルニャンコ先生が可愛すぎるのが印象的だった。

温かいながらも、切ない物語でもあった。

救いは、夏目の祖母が関わった人物の中でも彼女のこと今も悪く思う人ばかりもいなかったことだろうか。

 

次も友人帳シリーズならではの泣けるストーリーになるのだろうか。

次回は二本立てらしいので、どちらかは明るく楽しく終わる話になるのだろうか。

 

色んな先生たちの日常を映像で見たいので、テレビシリーズでの続編放送も期待したいところだ。

 

 

そして、すみっこぐらしの第二弾。

まさか第二弾がくるとは思わなかったが、子供向けアニメだからといってあなどってはいけない。

 

流石に子連れとかでもない良い歳の大人が一人でこれを見るのはハードルが高かったので、放送を期に見てみた。(ネタバレ含む)

 

すると、ゆる~いキャラ達の仕草にも癒された。

ナレーションがたまに突っ込みをいれたりと、ちび丸子ちゃんを見てるような、親しみのある感覚であった。

そもそも、サンエックスでアニメ化、ましてや映画なんてこれが初だったと思うのでこれがどう映像作品になるのだろうと思っていたが、実際見てみると「読み聞かせ」の感覚に近い。しかもリラックマ先輩差し置いてアニメ化とかすごすぎ

 

最初はシナリオもキャラたちが絵本の登場人物を演じるといった、「おとぎ話の内容に沿ってただ話が進むだけの、子供向けの番組か…」と思ってしまい、ゆるすぎ感もあって少し眠くなってしまった。

 

が、見てわかった。これは最後まで見るべきなのである。

自身も、一度見たものは最後まで見る主義である。途中放棄など制作者に失礼である。(謎のプライド)

 

起承転結でいう、転の部分というか、「どんでん返し」が素晴らしかった。

 

映画のタイトルには「ひみつのコ」とあって、このヒヨコこそが重要な登場人物である。

そもそもヒヨコとはいうが、黄色くない。むしろ灰色である。

童話の世界に入ってしまったのなら、この迷いヒヨコは「醜いアヒルの子である!」と私は予想を立てていたが、見事外れるのである。

 

では、「この迷いヒヨコは我々視聴者である!(視聴者が迷い込んですみっコと友達になる話という解釈)」とも予想を立ててもみたが、それも違ったのである。

 

簡単に言うと、トリノコシティみたいな境遇のヒヨコであった。(ボカロ知らない人には通じないかもしれない。)

つまり、最初からひとりぼっちの「作られし存在」だったのである。

それが自我を得た、という解釈で良いだろうか。

 

猫の恩返し」でも確か、いつしか物にも魂が宿ることがあるという台詞があった。

この設定、ステキだと思うし好きよ?

 

映画「スパイキッズ3」でも、プログラムゆえの悲しい運命を背負う人物も登場するし、

マニアックなことを言うと「ハム太郎 はむはむぱらだいちゅ!編」で自我を得た落書き:シロンちゃんの話も非常に悲しかった。

 

というように、作られしもの(生物には非ざるもの)は自我を得るとやはり孤独を得てしまう。

考えてみれば、それはそうだろうと思う。

いきなり自分だけぽっと産み落とされて、自分が何者なのかもわからない、創造主など知らぬまま、何事もなかったように当たり前に存在している周囲の世界をわけのわからないまま眺めるしかないのでは、疎外感を覚えてしまうだろう。

この理屈でいえば、もしAIが完全に自我を得てしまい、いきなりこの悩みのループにはまってしまうことがあれば、それは酷な話になってしまうことになる。多分そんな映画や小説だって少なくないだろう。

 

最後でまずそのことに視聴者が先に気づくことになるが、それを知らないでいるすみっコたちを見ていると落ち着かない気持ちになった。

ヒヨコを自分たちの居た世界に連れて行こうとしている皆がそれを知ったらどうなるのだろうか。と。

 

しかし、とてもわかりやすく現実は説明してくれたのである。

本の中のものは、もちろん現実には行けないのである。

ヒヨコだけは元の世界への入り口から弾かれてしまう。

 

一緒に居ることがかなわないと悟ったすみっコや、涙を浮かべながら皆を笑顔で見送ろうとするヒヨコの様子を見ているといたたまれない気持ちになった。

 

途中で元の世界への入り口へ到達するため立てた足場が崩れそうになるが、それを真っ先に支えに行ったヒヨコの健気さにも心打たれた。

それが崩れてしまえば、もう少しみんなと居られる時間を稼げたかもしれないのに、

ヒヨコはそれよりも皆が無事帰れることを望んだのである。

 

さらにちょっとイイ話で、物語に出てくる登場人物にもすみっコたちは優しく接していたため、お礼に助けに駆けつけてくれたりと、ほわほわする連鎖ができていた所も「情けは人のためならず」みたいなメッセージが込められているように思えた。

特にオニ君が良いオニで良かった。

 

鬼滅はしっかり鬼退治の話だが、その中の炭治郎の見せる優しさに通ずるものがあり、すみっコも沢山の人に見てほしいと思う作品である。

多分子供が居たらすみっコは絶対見せたいアニメかも。

てか、こんな心温まる映画とか私が幼稚園か小学生ぐらいに出会いたかったぞ…

 

そしてエンドロールを飛ばしてはいけない。

ヒヨコの周りの白紙のページを思いっきりにぎやかにしてしまえばいい。

そう思い立ったすみっコたちが作り上げた作品から生まれたのは、ヒヨコの日常を彩るものとなったというわけだ。

 

無表情か泣くことの多かったヒヨコだったが、このときのヒヨコの笑顔がすごく可愛いし、癒される。

良かったね、ヒヨコ!

 

すごく心が洗われた…見て良かった。

よし、すみっコぐらしのグッズも集めてもっと癒されよう。

特にヒヨコのグッズがすごく欲しくなった。

 

因みに推しはぺんぎんだが、最推しはヒヨコ。

前向きな雑草さん、優しくて気弱なゆえに空回りしてばかりの「ねこ」も結構好きだったりする。

 

劇場行けるかわからないけど、第二弾楽しみ。