雨と箱庭

明日は明日の風が吹く。

小石の行方

投票所には足を運んでいる。

しかし、用紙を記入するその手が躊躇ってしまった。

期日前投票があるにしてもこの限られた期限は社会人にとって優しいとは言い難いし、代理人を頼れない場合だってあるだろう。

天気が悪いとその場へ向かうことさえも面倒にすら思うこともある。

 

私の世代の絶対数は少ない。

実際、投票所に行けばそこに居るのはほとんど私より上の世代の人たちだ。

いつも選ばれるのは、その世代の人たちに恩恵が多い政策である。

多数決だからしょうがない。一人ひとりの要望を叶えることは難しいから、今一番声の大きい方優先されていく。そういうシステムなのだ。

今回もきっとこの人口の多い方に有利な政策を掲げた者が選ばれるのだろう。そんなことがふと頭をよぎり、鉛筆を持った手がつい鈍ってしまった。大海原に、そっと小石を一つ投げ入れているような気持ちになってしまったのだ。

 

私の世代は政治に興味がある人ばかりもいない。私も難しくて大きな話はわからないし、何が正解かわからないことも多い。

中には個人の価値観によって意見も分かれることであり、他人と気軽にできるカテゴリの話題でないような印象さえある。ちょっとしたことでも炎上する世の中では尚更。

だからといって権利を放棄する理由にならないし、だからこそ私は行くのだが、もう少し前向きな気持ちで投票所に向かえることができたらと思っている。